お互いの話し合いで、離婚の合意をし、離婚届を市区町村役所へ届出をすれば成立する離婚方法です。
協議離婚の場合は、理由の如何に関わらず離婚をすることができます。

離婚届の用紙は各市町村の役所に用意されています。
役所によって、希望すれば何部でもくれるところ、1部しかもらえないところがあります(多くても2部まで)。
間違えたときのためにと複数欲しいと思いがちですが、離婚届の記入間違いは、その場所を二重線で消し、訂正印を押せば問題ありませんので、気にする必要はありません。

お互いに押す印鑑は認め印で構いませんが、印相は違うものを利用しなければいけません。

その他、証人を二名用意して署名・捺印してもらわなければいけません。
証人は二十歳以上の成人であれば、誰でも構いません。

離婚届は24時間提出することができます。
提出する先は本籍地か住所地の役所です。
本籍地でない役所に提出する場合は、戸籍謄本が必要になります。
戸籍謄本は、郵送でも請求することが可能なので、本籍地が遠方の人は早めに請求しておいた方がいいでしょう。

24時間提出できると言っても、時間外は警備員などに預ける形になることがほとんどで、受領・処理するのは庁舎が開いている時になります(受領日は提出した日)。
修正箇所があると、後ほど役所から連絡が来て受領日がずれることもあるので、時間外に提出する予定の人は、間違いがないか、注意して記入しなければなりません。

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協議離婚のメリット・デメリット

協議離婚は「お互いの合意」があれば離婚できますから、一番早く離婚ができます。
お金も掛かりません。
これが一番大きなメリットです。

でも逆に言えば、お互いに合意できなければ、いつまで経っても離婚できません。

お互いに離婚を考えている場合、既に落ち着いて冷静に話し合いができない状態になっているのが普通です。
何か話せばすぐに感情的になる、どちらか片方が逃げてしまう。
そんな状態ですね。

そのような状態で、冷静に決めなければならない約束事(養育費・財産分与・子どもの面接交渉など)もきちんと決められないうちに、離婚だけを急いでしまのうはとても危険です。
あとで揉めごとにもなってしまう例も今までたくさん見て来ました。

また、せっかく決めた約束事を、自分たちだけで作った『離婚協議書』という紙にだけ書いておき、後で「約束を守ってもらえない!」ということになってしまうケースも多く見られます。
(※自分たちの作った離婚協議書というのは、法的には何の効力も持ちません。)

離婚の話をスムーズに進めたいときは、冷静な話し合いができないと思った時点で、次の手立てを考えなければなりません。
離婚することばかりを急いでしまうのは本当に危険です。
現在、当オフィスに相談に訪れるクライアントさんは、スムーズに話し合いができない状態がほとんどなので、協議離婚される方は極端に少ない状況です。

話し合いを進めるために調停を申し立てるか、もしくは、協議を滞り無く進めるために、間に弁護士を入れる方法を取る方が多いです。

協議離婚の際に決めておかなければいけないこと

後に揉めごとが起きないように、離婚届に印を押してしまうまでに、きちんとした決め事をしておく必要があります。

決めておかなければいけない内容

・協議離婚をするという合意

・財産分与の内容

・養育費の額と期間

・慰謝料の額(支払う必要性のある場合)

・子どもの親権者及び監護者

・子どもの面接交渉権

・離婚届の提出日

上記の内容は、後で「言っていない」「聞いていない」とならないように、きちんと話し合って、紙に書いておく必要があります。

この内容を書いたものを『離婚協議書』と呼びますが、この『離婚協議書』は法的には何も効力のないもので、飽くまでも「こういった話し合いをしました」という証拠の材料にしかなりません。

万が一、養育費が止まってしまった場合などは、この紙があると言っても、法的効力がないので強制執行などはできません。それをするために、『離婚協議書』は、きちんと『公正証書』にしておく方が懸命です。

公正証書については、後に詳しく説明いたします。

協議離婚したいが話し合いが難航したとき

調停まで行かなくても離婚は成立できそうなのだけれど、直接話し合うことが難しかったりするときは、ここで弁護士に依頼するという方法あります。

うちにご相談にいらしてくださったクライアントさんも、何度かこの形で弁護士に間に入ってもらい、当人同士は話し合いの席を設けることなく、弁護士とやり取りをしてもらって、スムーズに話し合いを進めて離婚を成立させました。

また、同席して話し合うことは可能なのだけれど、どんなことを決めていいのかなどの細かいことがよくわからなかったり、喧嘩になってしまう恐れがある場合は、ご希望いただければ、私が話し合いの場に同席させていただくことも可能です。

離婚届の不受理申請

協議離婚は「お互いの合意」があれば、簡単に離婚ができるシステムです。
ですが中には話し合いがこじれたり、自分が不利になりそうになると、全く話し合いにならない場合があります。

そういった場合、お互いに冷静になるまで待てればいいのですが、特にどちらかが離婚を急ぎ、どちらかが「どうしても離婚をしたくない」という状態になった場合、離婚したい側が急ぐあまり、合意がなくても、勝手に離婚届を偽造して提出されてしまう恐れが出てきます。

もちろんそれを本当に行えば、提出した人は法律違反(有印私文書偽造罪、公文書虚偽記入など)になるのですが、それを取り消すには調停が必要になり、時間がかかります。

なので、もしかしたら勝手に離婚届を提出されてしまうかもしれないという恐れがある場合は、未然に防ぐために、『離婚届不受理申請』をしておけば、離婚届を受理される心配はなくなります。

提出できる役所は、夫婦の本籍地又は住所地の市区町村役所です。

用紙は役所に用意されており、手続きは数分でできてしまいます。

 数年前までは、6ヶ月間しか有効期間がなかったため、今でも有効期間があると思っている人がいますが、現在は一度提出すれば、更新の必要はありません。

協議離婚無効や取り消し

「勝手に離婚届を出されてしまった」という場合は、「この離婚は合意していないので無効だ」という調停を申し立てることができます。

また、偽造ではないけれど、脅迫や詐欺などによって自分が署名・押印してしまった届けが提出されてしまった場合、後に、協議離婚取り消しの申し立てを家庭裁判所に起こすことも可能です。

この場合「偽造」ではないため無効にはできません。
一度、離婚が成立したという扱いの後に、本人の合意が本意ではないという、取り消しの訴訟を起こすことになります。

この手続きは3ヶ月間有効です。
離婚届を出されてから3ヶ月が経過したら、申し立てはできません。
またこの権利は本人のみにあり、第三者は取り消す権利はありません。